以前にみんなの家庭の医学で紹介されたアレルギーの最新治療Tレグ細胞について紹介したいと思います。ノーベル賞を受賞してもおかしくない発見だそうです。
Tレグ細胞とは?
Tレグ細胞は正式には制御性T細胞と呼ばれま。免疫応答の抑制的制御を司るT細胞の一種で、過剰な免疫応答を抑制する働きがあります。過剰な免疫応答とはアレルギー反応のことです。この過剰な免疫応答により、花粉症ではくしゃみと鼻水、アトピー性皮膚炎では肌のかゆみとなって現れます。Tレグ細胞はこのような過剰な免疫応答を防ぐことができるのでアレルギーやアトピーに効くのです。
最初に発見したのは大阪大学免疫学フロンティア研究センターの坂口志文教授だそうです。
免疫システムとアレルギー反応
免疫システムをざっくり説明すると以下のようになります。
- マクロファージという外敵を発見する係が敵を知らせる
- ヘルパーT細胞が1型ヘルパーT細胞(Th1細胞)または2型ヘルパーT細胞(Th2)に変化
- 1型ヘルパーT細胞(Th1細胞)または2型ヘルパーT細胞(Th2)がサイトカインという生理活性物質分泌して攻撃がかりに連絡
- 攻撃係のB細胞、キラーT細胞、NK細胞が外敵をやっつける
ヘルパーT細胞が変身する細胞には外敵によって担当があり、それが以下になります。
- 1型ヘルパーT細胞は細菌やウイルスの除去を担当
- 2型ヘルパーT細胞は花粉やダニ、食べ物などの軽いアレルゲンに対応
アレルギーは免疫が過剰反応してお起こるので2型ヘルパーT 細胞が過剰に働くとアレルギー疾患になります。
Tレグ細胞の増やし方
1型ヘルパーT 細胞と2型ヘルパーT 細胞は一つのヘルパーT細胞からできています。このため、1型ヘルパーT 細胞と2型ヘルパーT 細胞には一方が増えれば他方が減少する負の関係になります。
この関係を簡単に言えば、細菌やウイルスに感染する機会が多い人ほどアレルギー反応が出にくいとうことになります。つまり、幼少期から外で遊んだりして外敵に増える機会が多いほど、アレルギーの原因である2型ヘルパーT 細胞が減るのでアレルギーが出にくいのです。
幼少期ってじゃあ、遅いじゃんと思うかもしれませんが、ここで登場するのがTレグ細胞です。Tレグ細胞が増えれば、2型ヘルパーT 細胞が過剰に反応するのを制御することができます。
Tレグ細胞の増やし方は成人でも可能です。その方法は以下の通りです。
- 医師のもとアレルギー物質を取る
- 昆布を食べる
Tレグ細胞を増やす方法:アレルギー物質の摂取
最近の研究ではアレルギー物質をとることでTレグ細胞が増えることが分かっています。弱いアレルギー物質を3~5年摂取することでアレルギー反応が治るそうです。予防接種みたいなものですね。ただし、現在保険適用されてる錠剤は残念ながらダニと花粉のみです。
Tレグ細胞を増やす方法:昆布
もう一つの方法に昆布を摂取する方法があります。東京理科大学のマウスで行った研究では昆布を摂取するとTレグ細胞が増えることがわかっています。このため、人においても効果が期待できます。週に2~3回ほど汁物などで食べるといいそうです。
感想
1型ヘルパーT 細胞と2型ヘルパーT 細胞の負の関係はちょっと驚きです。衛生環境が悪いところで育つほうがアレルギーになりにくいのですね。現代社会では清潔な文化ができつつあるので難しいかもしれません(^^;
アトピーの私としてはTレグ細胞は欲しい細胞です。昆布は好きな方なので適度にとって様子をみたいですね。
全く別の話ですが昆布の記事が他にもありますのでよかったらどうぞ。