難消化性デキストリンの効果・働き

最近よく見る特定保健用食品に含まれている難消化性デキストリンについて調べてみました。例えばセブンイレブンさんに売っている以下のような商品に含まれます。大体は「食後の糖の吸収を穏やかにする」とか「脂肪の吸収を抑える」とか書いてあるやつですね。その効果の働きをするのが難消化性デキストリンという成分です。

 

 

難消化性デキストリンと特徴とは?

難消化性デキストリンを簡単に言えば食物繊維です。水溶性(水に溶けやすい)のデンプンの1種になります。この難消化性デキストリンの特徴は消化されにくいため、胃で分解されず、腸で吸収されないことです。このため、炭水化物のデンプンに分類されますが吸収されたないため、エネルギーに変えられずカロリーはありません。ミネラルの吸収が阻害されないことも大きな特徴の1つです。

 

難消化性デキストリンの効果・働き

難消化性デキストリンには主に4つの効果があります。

  1. 糖・脂肪の吸収の穏やかにする効果
  2. 腸ない環境を整える効果
  3. 内臓脂肪を減らす効果
  4. ミネラルの吸収促進効果

 

糖・脂肪の吸収を穏やかにする効果

難消化性デキストリンは小腸で糖が吸収されるときに、難消化性デキストリンの働きで、糖・脂肪の吸収スピードがゆるやかになることがわかっています。難消化性デキストリンは水溶性なので体内に摂取するとゲル状の粘液に代わります。このゲル状の粘液が糖を吸着して糖・脂肪の吸収を穏やかにします。

食後の血糖値が穏やかになることがなぜ良いか?

血糖値に関連する成分にインスリンがありますが、インスリンの作用は糖を脂肪にして蓄えることです。食後に血糖値が急激に上がると血液中に多すぎる糖を血液から出そうとしてインシュリンが分泌され、エネルギーに使用されなかった糖は脂肪細胞に送られ脂肪になります。このため、食後の血糖値を穏やかにすることは、肥満対策・ダイエットに良いことなのです。

 

腸内環境を整える効果

難消化性デキストリンは水分を抱えこみ保持する性質があるため、便のやわらかさを保ち、便量を増やし、便の通過時間を短縮させる作用があります。また、腸内細菌叢を改善する効果もあります。難消化性デキストリン摂取にすることで糞便量や排便回数の増加が期待できます。これにより、便秘などに効果があります。

 

内臓脂肪の減らす効果

難消化性デキストリン摂取群では内臓脂肪および中性脂肪の有意な低下が確認されています。また、難消化性デキストリンは胃で膨潤することで食塊を大きくし、粘性を上げ、胃内の滞留時間を延ばし満腹感を与える効果があります。

 

ミネラルの吸収促進効果

難消化性デキストリンは短鎖脂肪酸を産生させる効果があります。短鎖脂肪酸は体内を弱酸性にする効果があり、カルシウムやマグネシウムなどの重要なミネラルが水溶性に変化するので、より体内に吸収しやすくなり、ミネラルの吸収を促進することができます。動物実験において難消化性デキストリンはカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の吸収を促進することが確認されています。また、血清の鉄分が不足している女子大生が難消化性デキストリン15gを4週間摂取したところ、血清鉄の値が上昇し、改善した報告があります。

 

その他の効果

難消化性デキストリンは食物コレステロールの吸収抑制、コレステロールの異化・代謝・排泄の促進、胆汁酸の回腸からの再吸収阻害による代謝・排泄の促進などがされる。その他、以下の予防効果が確認されています。

  • 脂質異常症予防
  • 便秘予防
  • 肥満予防
  • 糖尿病予防
  • 動脈硬化の予防
  • 大腸癌の予防

 

難消化性デキストリンのまとめ

難消化性デキストリンは単なる水溶性食物繊維ですが、その効果は様々です。効果からみると肥満予防やダイエットに効果があります。ただし、特定保健用食品に含まれる難消化性デキストリンは大抵5g程度です。このため、即効性はありません。長期継続することで効果がでます。

 

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